森山病院
診療科目 | 内科 循環器内科 消化器内科外科 乳腺外科 血管外科 耳鼻咽喉科 整形外科 脳神経外科 形成外科 泌尿器科 眼科 麻酔科(麻酔科医/山岸 昭夫)放射線科 リハビリテーション科人間ドック 脳ドック 生活習慣病予防健診 各種企業健診 マンモグラフィ検診 |
住所 | 旭川市8条通6丁目左10号 |
TEL | 0166-22-4151 |
診療時間 |
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休診 | 日曜日・祝・ 第1・第3土曜日 |
HP | http://www.moriyama.or.jp/ |
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〈記事提供〉 村松 治 眼科部長 略歴 1997年旭川医大卒、旭川医大眼科学講座、札幌斗南病院眼科医長、旭川厚生病院眼科主任医長、旭川医大眼科病棟医長など経て現職。 日本眼科学会専門医 |
白内障手術と乱視矯正用眼内レンズについて
白内障手術はよく知られた手術となり、今では旭川医大や赤十字病院のような総合病院から開業の先生まで、多くの施設で手術が行われています。その中で当院の特徴について述べたいと思います。
①基本的に入院手術
当院では片眼3泊4日、両眼7泊8日で手術を行っていることがほとんどです。(都合によって退院日を変更することは相談いたします)
日帰り手術は日常の生活リズムをあまり崩すことなく手術を受けることができるというメリットがあります。ただし全身状態が良好、手術後の頻繁な通院が出来る、白内障の程度も小切開手術が可能な状態など、条件を揃える必要があります。
当院では入院なので毎日の診察(必要時には朝・夕など複数回)を行い、小切開手術が無理な白内障には大きな切開+縫合を行い、傷が治まってくるまで経過を見ることも行っています。
②乱視矯正用眼内レンズへの対応
眼内レンズには通常のレンズ(球面レンズ)と乱視用レンズ(トーリックレンズ)があります。(ここでは遠近両用の多焦点レンズは割愛します)
多くの場合、通常の球面レンズの適応で十分なのですが、もともと乱視が強い場合に球面レンズでは乱視が残ってしまって見え方の邪魔をしてしまうことがあります。そこで乱視用レンズを挿入することで乱視を軽減して見え方の改善を期待するのです。
当院では手術前検査で角膜形状解析を行い乱視用レンズの適応かを調べます。また乱視がゼロになる訳ではないので、手術後の見え方も「通常の球面レンズよりは見え方がいいはずだ」という感じです。ですので手術前に乱視用レンズを入れる話しはほとんど行わず、「ちょうどいいレンズを入れますね」とお話ししています。
以上が当院での白内障手術の特徴です。手術前検査の時には十分時間をとって、患者様がどのような手術後の見え方を期待しているのかを聞き出していく。これが手術成功への第一歩だと思います。
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〈記事提供〉 内田 祥子 耳鼻咽喉科部長 略歴 1984年旭川医科大学卒業、旭川医科大学耳鼻咽喉科入局、旭川赤十字病院耳鼻咽喉科勤務を経て現職。 日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医 |
嚥下障害とリハビリテーション、言語聴覚士の役割
食物や飲み物を飲み込むことを嚥下と言います。普段、健康な時には意識することなく行っている嚥下ですが、病気や老化などで食物を飲み込みにくくなったり、飲食物が気管や肺に入ってしまう誤嚥が起きると、嚥下障害を生じます。
・嚥下の仕組みは3つの段階に分かれます。
1.口腔期:食べ物を咀嚼し、舌の動きによって口腔から咽頭(のどの奥)に送り込む。
2.咽頭期:食物を咽頭から食道に送り込む。軟口蓋(上あごの柔らかい部分)が鼻への逆流を防ぎ、喉頭蓋(気管の蓋になる部分)が気管と食道の間を閉鎖して誤嚥を防ぎます。
3.食道期:食道の入口が開き、飲食物が食道内に入り、蠕動運動によって胃に送られる。
この一連の機能は、複雑な神経支配と筋肉の動きによって成り立ち、どこかの過程で異常が起こると嚥下障害が生じます。
・嚥下障害の原因
1.脳梗塞、脳出血:口腔、咽頭、喉頭の神経の麻痺により、食物を送り込めなくなったり、食道の入口が開きにくくなって誤嚥を生じます。
2.加齢:年齢とともに唾液が減少したり、歯を失ったり、合わない義歯で噛む力が落ちると、誤嚥の原因となります。
他にも認知症や鬱状態などで食欲が落ちることも影響します。
・嚥下障害の診断と治療
当院では特に脳血管障害の方の嚥下障害の診断とリハビリテーションを行うことが多く、言語聴覚士というリハビリテーションスタッフと一緒に、口腔の状態、舌、喉頭や顎の動きを確認し、その後、内視鏡で観察しながら実際に飲食物を飲み込む様子、誤嚥の有無の確認をします(嚥下内視鏡検査)。この結果、食事が可能であるかを判断し、最も適当な食事形態を考え、誤嚥をせずに食事をできるようにリハビリをすすめています。