「ゆうかんなアイリーン」が、教えてくれること


北風が身にしみる冬。
ついつい、背中を丸めて歩いていませんか?
寒さに負けず、背筋をしゃんと伸ばして深呼吸。
そんな心がポカポカ元気になる絵本を、
お馴染み「こども冨貴堂」さんに紹介してもらいました。
今月も、三回に分けてご紹介します。

まずは、一冊目。
吹雪の中を、お母さんのために頑張る女の子のお話、
「ゆうかんなアイリーン」。
好きな人のために頑張れる幸福感を、思い出させてくれる一冊です。

お母さんがお屋敷の奥様に頼まれて作った素敵なドレス。
何日もかかって縫い上げたドレスなのに、
お母さんは風邪気味で届けることができません。
おまけに外は吹雪。
でも、ドレスを着るパーティは今夜です。
そこでアイリーンは、お母さんのためにドレスをお屋敷に届ける決心をしました。

自分の体と同じくらい大きい洋服の箱を抱えて、
ビュンビュンうなる風に、
口を一文字にして挑むように歩くアイリーン。
雪に埋もれても、
途中でドレスが飛ばされてしまっても、
「お母さんの思い」を届けることを諦めません。
どんなことがあっても、
諦めることなく、前に進みます。

アイリーンがそこまで頑張れるのは、大好きなお母さんのため。
シンプルに表現された「人を思いやる心」に、
胸がじんわりしてきます。
そう、人って、好きな人や好きなことのためには頑張れるんですね。

素朴な絵ですが、アイリーンの表情が変わっていくのに注目してください。
吹雪の中を必死に進む勇敢な顔
くじけそうになってしまいそうな顔
お城にたどり着いた安堵の表情
家に送ってもらう馬そりの中の幸せそうな寝顔
そして、お母さんに会った時の笑顔

本を閉じた時、
たくさんのアイリーンが思い出され、
「私も頑張ろう」と、勇気つけてくれます。

ゆうかんなアイリーンの写真

「ゆうかんなアイリーン」
作・絵/ ウィリアム・スタイグ
訳/おがわ えつこ
出版社/らんか社
価格/ 1,575円(税込)

児童専門店(有)絵本屋 こども冨貴堂(取材協力)

住  所/旭川市7条通8丁目買物公園
電話番号/0166-25-3169
営業時間/10:00~18:30(年末年始を除き無休)

旭川市7条通8丁目