画家 岸田劉生の軌跡
1891(明治24)年、東京に生まれた岸田劉生は、
黒田清輝が主宰する白馬会洋画研究所で油彩画を学びました。
やがて文芸同人雑誌『白樺』との出会いをきっかけに、
後期印象派から影響を受けた作品を制作したのち、
北方ルネサンスの様式を手がかりとした精緻な写実表現へと転じ、
深い静謐さにみちた静物画や肖像画を描くようになります。
そして後年には宋元画や初期肉筆浮世絵、南画などの東洋的な美に関心を寄せ、
それを自らの作品に反映させようとしますが、
1929(昭和4)年、病のため38歳の若さでこの世を去りました。
こうした振幅のある画風の変遷とともに、劉生の手がけたジャンルの多様性が、
いま注目を集めています。よく知られた油彩画ばかりではなく、
水彩素描、日本画、版画、そして本の装丁画も数多く残しているのです。
そこには、劉生が「写実」とともに芸術の根本として大切にした
「装飾」にかかわる意志が色濃く反映されています。
本展では、こうした多岐にわたる作品およそ130点を一堂にご紹介します。
大正から昭和初期の洋画壇で特異な輝きを放った画家岸田劉生の、
これまではあまり知られてこなかった多面的な魅力にふれていただくまたとない機会です。
開催期間 / 2013年6月7日(金)〜7月18日(木)
休 館 / 月曜日(ただし7月15日は開館)、7月16日(火)
開館時間 / 9:30〜17:00(入場は16:30まで)
観 覧 料 / 一般900円、高大生600円 小中生300円
場 所 / 北海道立旭川美術館
特別展セミナー
「岸田劉生の絵画 一麗子をめぐる軌跡」
講師 / 当館学芸員
日時 / 6月15日(土)14:00〜
会場 / 当館講堂(聴講無料)
ギャラリーツアー
講師 / 当館学芸員
日時 / 6月22日(土)14:00〜14:30
会場 / 第1展示室(本展観覧券が必要です)
ワークショップ
「わたしの本のしるし 一蔵書票をつくろう!」
作品鑑賞とともに、簡単な蔵書票づくりを行います。
講 師 / 堀川真氏(絵本作家)
日 時 / 6月29日(土)午後1時〜4時
会 場 / 当館講堂、第1展示室
定 員 / 120名
参 加 料 / 一般700円、高大生400円、小中生200円(団体観覧料)
募集開始 / 6月7日(金)10:00〜
※電話で当館(0166-25-2577)にお申し込みください。
定員になり次第締め切ります。
北海道立旭川美術館
旭川市常磐公園内
TEL 0166-25-2577
FAX 0166-25-2539