大切な人へ贈りたい一冊『しあわせなワニくん あべこべの一日』
大好きな人へ贈りたい、
そして、自分自身にも贈って、
ニヤニヤ楽しみたい一冊です。
しあわせなワニくんは、恋するワニくん。
大好きなモモコさんとの始めてのデートを明日に控えて、
ドキドキ、ソワソワ。
明日が待ちきれないワニさんは、
「早く寝てしまえば、明日になっている」、と早々に寝ることにしました。
目が覚めたら、あたりは薄暗く、
慌てて約束の公園に向かいます。
朝と夜を間違えて、
おまけに今日はなんでもあべこべの日だと、勝手に思い込んで、
夜の公園でひたすらモモコさんを待ち続けるワニくん。
やがて、雪が降り積もっても、
それでも待ち続けます。
モモコさんのことを思うだけで、
胸がドキドキ切なくなる恋心。
待っている間も、「何かあったのでは?」と心配で、
でも電話をかけに行った間にモモコさんとすれ違ったらと思うと、
その場を離れることもできません。
ワニくんに出来ることは
「モモコさんは来る」と、ひたすら信じ待つこと。
純粋で、どこか抜けていて、でも憎めなくて、
ワニくんが必死に恋する姿は、
ニヤニヤさせられたり、ジーンときたり。
「ああ、こんな時があったよなぁ…」と懐かしくなってしまいました。
特に、電話をかけにも行けないというシーンは、
携帯電話の無かった時代の待ち合わせを思い出させます。(歳がばれちゃいますね)
対象は小学校低学年なのですが、
大人の方のほうが楽しめる一冊かもしれません。
『しあわせなワニくん あべこべの一日』
作/神沢利子
絵/はたこうしろう
出版社/ポプラ社
定価/1,300円(税別)
児童書専門店(有)絵本屋 こども冨貴堂(取材協力)
住 所/旭川市7条通8丁目買物公園
電話番号/0166-25-3169
営業時間/10:00~18:30(年末年始を除き無休)