こども冨貴堂

春に読みたい一冊 人が出会う理由、「ともだちになるために」

こども冨貴堂さんにおススメして頂いた
春に読みたい絵本のご紹介です。

幼稚園や小学校の発表会などで歌われることも多い
童謡「ともだちになるために」。
この歌が大好きだというあべ弘士さんの絵で、
絵本になりました。

歌として聞くのもジーンとしますが
ページをめくる毎に
胸に飛び込んでくる一行ずつの言葉は
また違う重みを持って
語りかけてきます。

「ともだちになるために」

「ひとは であうんだよ。」

その一行を読んだだけで
なんだかウルウルとしてしまいした。

どんな人との出会いも
友達になるため。
そう思うと、
自分の中に人への優しさが生まれてくるのを感じます。

あべさんが描く
少年と少女との出会い
アフリカの友達や動物たちの出会い。
世界のどこにいても、
出会いは素晴しい!

スケッチブックの様に
本に白いリボンが付いているので、
新しく出会った人へのプレゼントにも。
はじめまして。
仲良くしてね。
そんな挨拶代りに贈るのもステキですね。

「ともだちになるために」表紙写真

スケッチブック絵本シリーズ 『ともだちになるために』
詩/新沢としひこ
絵/あべ弘士
アスク・ミュージック
定価/本体価格1500円+税

 

児童書専門店(有)絵本屋 こども冨貴堂(取材協力)

住  所/旭川市7条通8丁目買物公園
電話番号/0166-25-3169
営業時間/10:00~18:30(年末年始を除き無休)

旭川市7条通8丁目

春に読みたい一冊 優しい出会いの響き 「とん ことり」

春は別れと出会いの季節。
こんな季節にぴったりの絵本を
こども冨貴堂さんから教えてもらいました。

まずは一冊目。
その優しい響きに、
ふと、手に取ってしまう「とん ことり」。

「とん ことり」
この不思議な音は、何の音?

それは、山の見える町に引っ越してきたばかりの女の子、
かなえの耳に響きました。
お引っ越しの片付けで忙しいお父さんとお母さん。
かなえがお手伝いに疲れてきたとき、
その音は聞こえてきます。
とん ことり…
「郵便受けの音?」
急いでかなえが玄関を見に行くと
郵便受けの下には すみれの花束が落ちていました。

次の日は タンポポ
そして次は…

知らない町で
知らない人ばかりで
お友達もいなくて…
不安と淋しさを抱えていたかなえの胸に
とん ことり の音は
小さな希望を届けてくれます。

新しい友達との出会いを描いた絵本は
大人が読んでも、
ちょっぴり胸キュン。

新しい出会いのチャンスがたくさんある春
アナタも、
とん ことり と
相手のココロの郵便受けを鳴らして
たくさんの友達を作って下さいね。

「とん ことり」表紙写真

『とん ことり』
作/筒井頼子
絵/林 明子
福音館書店
定価/本体価格800円+税

 

児童書専門店(有)絵本屋 こども冨貴堂(取材協力)

住  所/旭川市7条通8丁目買物公園
電話番号/0166-25-3169
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大切な人へ贈りたい一冊 『ずーっとずっとだいすきだよ』

「ずーっと大好きだよ」と、
アナタは最近、誰かに伝えましたか?

「大好きだよ」と、
言葉にして思いを伝えることの
大切さを教えられる1冊、
「ずーっとずっとだいすきだよ」です。

ずーっとずっとだいすきだよ

男の子は、犬のエルフィーと大の仲良し。
いつも一緒に遊んで、一緒に大きくなりました。
年月が経ち、やがて老いていくエルフィー。
そんなエルフィーに男の子は毎晩
「ずーっと、ずっと大好きだよ」と伝えます。
そして訪れる哀しい死の別れ。

でも、男の子は哀しみの中で思います。
「毎晩エルフィーに『ずーっとずっとだいすきだよ』と言ってあげれたから、
まだいくらか気持ちが楽だ」と。
ずっと気持ちを伝えて来たから、
愛する者の死を静かに受け入れる男の子。

愛する人に、
「好きだよ」と言葉にして伝えることが
どれほど日々の生活を潤わせ、心穏やかにし、
幸せで満たせてくれることか…。
言葉にすることが、
どれほど大切か気づかさせてくれます。

文中に、とても切ない言葉がありました。
「みんなエルフィーのことがだいすきだった。
すきならすきといってやればよかったのに、
だれもいってやらなかった。
いわなくてもわかるとおもっていたんだね」

「言わなくても分かるはず」
…反省することが沢山思い出されますね。
「好きなら好きと言ってやれば良かった」
…そんな後悔をしないためにも、
アナタにも、今、伝えたい人はいませんか?

 

『ずーっとずっとだいすきだよ』
作・絵/ハンス・ウイルヘルム
訳/久山太市
出版社/評論社
定価/1,200円(税別)

 

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大切な人へ贈りたい一冊 『こねこのチョコレート』

わかっているけど、やめられない。
人生って、そんな失敗の繰り返し。
みんな、おんなじね…。
なーんて、思いながら優しい気持ちになれる絵本を紹介します。

こねこのチョコレート 写真

4歳の女の子ジェニーは、
3歳になる弟の誕生日の為に、
自分のおこずかい100円を握りしめ、
ステキな箱に入ったこねこのチョコレートを買います。

わずか4歳で、
弟のためにとチョコを買う優しいジェニー。
でも、その夜は、ジェニーにとっては葛藤の連続でした。

箱に入ったチョコは8個。
1個ぐらい食べても大丈夫と、
チョコの誘惑に勝てずに、一つ二つと食べてしまい、
ついに箱の中身は・・・・!?

小さなジェニーの葛藤と後悔に、
「あるある、こんなこと」と、声をかけたくなります。

ジェニーの心理描写はもちろん、
1ページ1ページの絵も丁寧に書かれているので、
細かな所まで楽しめます。

チョコを食べて後悔したジェニーと弟に、
最後に届いた本物のステキなプレゼント。
さぁ、それは何かな?

家族の温かい愛情も感じる1冊を、
誰かと一緒に読んで下さいね。

『こねこのチョコレート』
作/B・k・ウィルソン
絵/大社玲子
訳/小林いづみ
出版社/こぐま社
定価/1,100円(税別)

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大切な人へ贈りたい一冊『しあわせなワニくん あべこべの一日』

大好きな人へ贈りたい、
そして、自分自身にも贈って、
ニヤニヤ楽しみたい一冊です。

しあわせなワニくん あべこべの1日 写真

しあわせなワニくんは、恋するワニくん。
大好きなモモコさんとの始めてのデートを明日に控えて、
ドキドキ、ソワソワ。
明日が待ちきれないワニさんは、
「早く寝てしまえば、明日になっている」、と早々に寝ることにしました。

目が覚めたら、あたりは薄暗く、
慌てて約束の公園に向かいます。
朝と夜を間違えて、
おまけに今日はなんでもあべこべの日だと、勝手に思い込んで、
夜の公園でひたすらモモコさんを待ち続けるワニくん。
やがて、雪が降り積もっても、
それでも待ち続けます。

モモコさんのことを思うだけで、
胸がドキドキ切なくなる恋心。
待っている間も、「何かあったのでは?」と心配で、
でも電話をかけに行った間にモモコさんとすれ違ったらと思うと、
その場を離れることもできません。

ワニくんに出来ることは
「モモコさんは来る」と、ひたすら信じ待つこと。

純粋で、どこか抜けていて、でも憎めなくて、
ワニくんが必死に恋する姿は、
ニヤニヤさせられたり、ジーンときたり。
「ああ、こんな時があったよなぁ…」と懐かしくなってしまいました。
特に、電話をかけにも行けないというシーンは、
携帯電話の無かった時代の待ち合わせを思い出させます。(歳がばれちゃいますね)

対象は小学校低学年なのですが、
大人の方のほうが楽しめる一冊かもしれません。

『しあわせなワニくん あべこべの一日』
作/神沢利子
絵/はたこうしろう
出版社/ポプラ社
定価/1,300円(税別)

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こども冨貴堂がお届けする、大切な人へ贈りたい一冊

2月といえば、バレンタイン。
メチャメチャ好きな人がいる人も、
ちょっぴり好きな人がいる人も、
普通に好きな人がいる人も、
ステキなものを贈りたくなる季節です。
恋人だけじゃなく、
家族や友達にも、
普段、面と向かって“大好き”と言いにくい相手に
思いを込めた絵本を贈ってみませんか。
今月は、
こども冨貴堂さんに推薦して頂いた
大切な人に贈りたい絵本を4回に分けて紹介します。

まずは、一冊目。
口にするだけでドキドキするタイトルと
ステキなウサギの絵に心惹かれる一冊、
『どんなにきみがすきだかあててごらん』です。

どんなにきみがすきだかあててごらん 写真
仲良しのデカウサギとチビウサギ。
ある日、チビウサギがデカウサギに言います
「どんなに、きみがすきだか あててごらん」

「こんなにさ」
その小さな両手を必死に広げて、体いっぱいで
「すき」を伝えようとするチビウサギ。
「でも、ぼくはこーんなにだよ」と、
デカウサギも負けずに、その大きな両手を広げ、
「どんなにすきか」の競い合いが始まります。

背伸びをしたり、
飛び跳ねたり、
まっすぐに、
自分の持っているもの全てを使って、
その思いの強さを表現しようとするチビウサギとデカウサギ。

その純粋なやりとりは、
余計な事は考えず、
シンプルに、
素直に、
気持ちを伝えることの大切さを思い出させます。

ぜひ、大好きな人に贈ってください。
きっと贈られた方は、
人に愛される自信を感じるはず。
大切な人の人生を勇気付けてくれる
そんな一冊になると思います。

『どんなにきみがすきだかあててごらん』
作/サム・マクプラットニィ
絵/アニタ・ジェラーム
訳/小川仁央
出版社/評論社
定価/1,300円(税別)

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手袋は優しさのしるし、「てぶくろがいっぱい」

今年も、残すところあと少し。
ハッピーなことが沢山あった貴方にも
ちょっぴりついていない事が多かった貴方にも、
幸せな気持ちで一年を締めくくれる絵本を見つけました。
タイトルは「てぶくろがいっぱい」
紹介してくれたのは、もちろん絵本屋の「こども冨貴堂」さんです。

双子のネッドとドニー。
ある日、ドニーが赤い手袋を片方無くしました。
それを聞きつけた近所の人たちが
「この手袋、ドニーのじゃない?」と、
落ちている赤い手袋を見つけては、
次々と届けてくれます。
お隣さんも
学校の先生も
郵便屋さんも……
街のいろんな人が、赤い手袋を見つけるたび届けてくれるので、
ドニーのもとには、何時しか沢山の手袋が集まりました。

きっと本当の持ち主は困っているはず……。
そう考えたドニーたちは、
裏庭の木に物干しロープを張って、
手袋を吊るしました。
「赤い手袋を無くした人は、裏庭を覗いてみてください」
そんな張り紙をして。

こうして、沢山の赤い手袋が、持ち主のもとに戻っていきます。

木に吊るされた赤い手袋は、
人の優しさや思いやり。
そして、人と人をつなぐ温もりの証。

忙しない毎日の中で見落としがちだけど、
街には、優しい人がいっぱいです。
きっと自分の周りにも優しさが溢れているはず。
心の目を開いて、そのことに気付かなくっちゃ。
そんな気持ちになります。
貴方も、貴方の中の赤い手袋を見つけませんか。

てぶくろがいっぱいの写真

「てぶくろがいっぱい」
作/フローレンス・スロボドキン
絵/ルイス・スロボドキン
訳/三原 泉
出版社/偕成社
価格/1,260円 (税込)

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幻想的な氷の世界へ「チリとチリリ ゆきのひのおはなし」

うわぁ、また雪だ。
北国に暮らす私たち、
大人になるとどうしても、「また雪…」って、うんざりしちゃいますよね。
そんな方にも、ぜひ読んで欲しい絵本が
こども冨貴堂さんおススメの、
人気シリーズ「チリとチリリ」の「ゆきのひのおはなし」です。

お散歩が大好きな女の子、チリとチリリが初雪の日、
自転車で森の中へ出かけます。
真っ白な森にあるのは氷の扉。
扉を開けると、そこは幻想的な氷の世界が待っていました。
動物が出迎えてくれる氷のカフェ、
お花のつぼみが凍ったビー玉
氷の温泉、
氷のコテージなど
ページをめくるたび広がる神秘的な冬のシーンに、
心もほのぼの。

氷の大広間では、いろんな動物が
トランプをしていたり、
本を読んでいたり、
お昼寝をしていたり
細部まで丁寧に描かれた動物の姿に惹き込まれます。

チリとチリリの冒険を想像しながらなら、
嫌な雪かきも楽しくできるかも……しれませんよ。

チリとチリリ ゆきのひのおはなしの写真

「チリとチリリ ゆきのひのおはなし」
作・絵/どい かや
出版社/アリス館
価格/1,260円(税込)

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「ゆうかんなアイリーン」が、教えてくれること

北風が身にしみる冬。
ついつい、背中を丸めて歩いていませんか?
寒さに負けず、背筋をしゃんと伸ばして深呼吸。
そんな心がポカポカ元気になる絵本を、
お馴染み「こども冨貴堂」さんに紹介してもらいました。
今月も、三回に分けてご紹介します。

まずは、一冊目。
吹雪の中を、お母さんのために頑張る女の子のお話、
「ゆうかんなアイリーン」。
好きな人のために頑張れる幸福感を、思い出させてくれる一冊です。

お母さんがお屋敷の奥様に頼まれて作った素敵なドレス。
何日もかかって縫い上げたドレスなのに、
お母さんは風邪気味で届けることができません。
おまけに外は吹雪。
でも、ドレスを着るパーティは今夜です。
そこでアイリーンは、お母さんのためにドレスをお屋敷に届ける決心をしました。

自分の体と同じくらい大きい洋服の箱を抱えて、
ビュンビュンうなる風に、
口を一文字にして挑むように歩くアイリーン。
雪に埋もれても、
途中でドレスが飛ばされてしまっても、
「お母さんの思い」を届けることを諦めません。
どんなことがあっても、
諦めることなく、前に進みます。

アイリーンがそこまで頑張れるのは、大好きなお母さんのため。
シンプルに表現された「人を思いやる心」に、
胸がじんわりしてきます。
そう、人って、好きな人や好きなことのためには頑張れるんですね。

素朴な絵ですが、アイリーンの表情が変わっていくのに注目してください。
吹雪の中を必死に進む勇敢な顔
くじけそうになってしまいそうな顔
お城にたどり着いた安堵の表情
家に送ってもらう馬そりの中の幸せそうな寝顔
そして、お母さんに会った時の笑顔

本を閉じた時、
たくさんのアイリーンが思い出され、
「私も頑張ろう」と、勇気つけてくれます。

ゆうかんなアイリーンの写真

「ゆうかんなアイリーン」
作・絵/ ウィリアム・スタイグ
訳/おがわ えつこ
出版社/らんか社
価格/ 1,575円(税込)

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秋色の絵本 ~くんちゃんはおおいそがし~

「こども冨貴堂」さんに教えてもらった
秋色の絵本・紹介シリーズ第三弾、最後の絵本です。

今回は、黒と赤だけの素朴な絵が可愛い「くんちゃんはおおいそがし」。

「今日はなにをしようかなぁ」と子熊のくんちゃん。
お母さんに「何をしたらいい?」と尋ねます。
お母さんに言われたとおり、ご飯のお手伝いをして、ご飯を食べて、絵をかいて・・・
「今度は何をしたらいい?」
何度も聞きにくるくんちゃんにお母さんは、
「自分で何かすることを見つけなさい」

しぶしぶお外に出て、
つまらなそうに、小石をけったり、松かさをけったり…
そのうち、手にした木切れが船に似ていることに気付きます。
かわにいって、うかべてみよう。
そこから、どんどん遊びが広がって、
気が付くと、おおいそがしのくんちゃん。

何でも遊びにしてしまう子どもの世界に、
思わず笑みがこぼれます。

「何もないじかんがたいせつ」と、あとがきに記す訳者のまさきさん。
退屈な、何もない時間。
そこから自分の周りのものに目が行き、
発見したり、没頭したり、夢中になったり、
次から次と新しい世界が広がります。

何もない時間、それって、
大人にとっても
大切な時間かもしれません。

 

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「くんちゃんはおおいそがし

作 ドロシー・マリノ
訳 まさきるりこ
ペンギン社
価格998円(本体価格950円)

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