フィット編集長の棚からひとつかみ NO.8


おくりびと

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アカデミー賞外国映画賞を含め国内外数々の賞を

総なめにした感動作「おくりびと」を今回紹介したいと思います。

当時、こんなに話題になる前に見てあまりにも深い人間ドラマに

思わず涙腺を熱くした日本至宝の名作です。(パチパチ)

 

所属していたオーケストラが解散し、失業してしまったチェロ奏者の小林大悟。

やむなく彼は妻の美香と二人、実家の山形へと帰る。

その家は、2年前に亡くなった母親が残してくれた唯一の財産だった。

愛人を作った父が家を出たあと、母は女手ひとつで大悟を育ててくれたのだ。

山形で新たな職を探す大悟が行き当たったのは、佐々木が経営する納棺師という仕事だった。

死者を彩り、最期のときを送り出すという業務の過酷さに、大悟は戸惑いを隠しきれなかった、

しかし、佐々木と事務員の百合子の持つ温もりに惹かれて、「おくりびと」となるのだった・・・。

「おくりびと」より

 

滝田洋二郎監督の作品を数多くみている中で、特に気に入っているのが東北の美しい山々を

映し出しているシーンです。主人公たちが悩んだり迷ったりする時に限って、

見守り続ける山々に思わず心が洗われるような感動を受けます。本作「おくりびと」の他にも、

盛岡を舞台にした「壬生義士伝」、暦作りのため全国各地をくまなく回る「天地明察」などでも

大自然が主人公たちに厳しく、そして優しく語りかけてきます。

なべ