何より嬉しい 「頑張って!」
「音沙汰ないけど元気かい。たまにはメールよこしなさいよ」私から娘へのメールは、毎回同じ言葉で始まる。娘に対して意地を張るのもどうかと思うが、こちらがメールを出さないでいたら、向こうからメールは来るだろうかと思い、しばらくメールを出さないでいた。そしたら来ない来ない。元気だろうかと心配になり、何度も出そうと思ったけれどここまで待ったんだからもう少しと思っているうちに一か月以上たってしまった。
そして、とうとう負けてこちらから出してしまった。「久しぶりだね。桜が咲いてるって?東京に行こうと思ったけど、パーティーの準備で忙しくて行けないわ」すると返事が来た。
「あらこないの。じゃあパーティーおわったらきなよ」漢字がない。私の質問には何一つ答えてないし。文学部日本語学科では何を勉強していたのか。
それから10日くらいたってメールが来た。「明日お花見行くよ~」今度は漢字も入っているけど、母はもっと色々知りたいのだ。
そしてまた食料補給の荷物を送ったのだが、届いたというメールが来ない。いつものことだが本当に受け取ったのだろうか心配になり、「届いたの」と聞いたら「とどいたよ!ありがとう。おはなみいったよ!」と返事が来た。
だからさ、ありがとうだけじゃなくて、中身の感想を書いてって。嬉しかったのか、おいしかったのか……。
買物公園を歩いていたら「フィットのエッセイ、読んでますよ」と知らない方から声をかけられた。スーパーのレジの所でも声をかけられた。
「家も一緒ですよ。全然メールも電話も来ないんですから。エッセイを読んで家だけじゃないって安心してます」初めて会う方なのに色々と話しをした。
別の方は「家のお父さん、読んで泣くんです。家の娘もこうなるのかって」「おいくつなんですか」「3歳です」お父さん、3歳から心配してたら体がもたないよ~!
恋人でもないのに、メール一つで一喜一憂する親。どこの家も同じなのか。中には毎日のようにメールが来るという人もいるようだけど。人もそれぞれでいいと思いながら、ちょっとうらやましい。
娘の好きな物や欲しそうな物、珍しい頂き物などがあると送ってあげたくなる。この前、可愛い洋服を見つけたから写メを送った。
「買って送るよ」すぐに返事が来た。「いらん」もっと言い方があるだろうと、話し方教室の先生である母としては不満に思う。親の顔が見たい!……親は私だった。
先日、またしばらくメールが来ないから出してみた。今度はすぐに夜中に返事が来た。「メール出すの忘れてた。早く東京来なね~ごはん行こう」何度も見てニヤけてる私。
またメールが来た。「パーティー頑張ってね」何よりも嬉しい励ましの言葉。パーティーの衣装の写メを送ってあげよう。きっと「うざい」って返事来るだろうけどね。