旭川市立旭川第一小学校
8人が伸び伸びと
旭川市東旭川町米原にある旭川第一小学校は、全校児童8人。
寂しそうと思うのは間違い。本当に楽しそうに伸び伸びと
毎日を過ごしています。毎日の様子を御紹介します。
少人数ならでは
東旭川町米原。21世紀の森につながる道路の途中に第一小があります。素敵な環境の中に建っている校舎は、まるでペンションのようです。ここで学んでいる子供たちは全部で8人。今年は1年生と6年生がいないので、入学式がなく、来年の卒業式もないので、ちょっと寂しい年になりましたが、来年は入学式の予定があるので一安心です。創立115周年。今までの卒業生は2699人。一番児童数が多かったのは大正10年の393人。その頃は農業林業で栄えていて、お店もたくさんあったそうです。
少人数だとできないこともありますが、少人数だからこそ楽しいこともたくさんあります。多くの人を巻き込みながらやっていくと、達成感があります。先生方もアイディアをどんどん出していきます。
例えば運動会。5年生は一人ですが、徒競争ではスタートだけ先生も一緒に走ります。8人ですが綱引きもあります。観客席に行って強そうな人を探して来るのです。勝利のポイントは人選と取得する力。探すことから綱引きが始まっています。
学芸会の合唱は、千代ヶ岡小とベトナムのホーチミン日本人学校がスクリーンに映像を映して同じ歌を歌いました。プログラムを見てみると、2・3年生の劇が「白雪姫」。2・3年生は合わせて4人。どうやってやるのかと思ったら、白雪姫、7人の小人は7人分を一人で、魔法使いのおばあさんと王子様は同じ人。絶対に見たい白雪姫です。
大きい学校に比べると、児童一人ひとりが行事で活躍する機会が多いのが大きなメリット。8人全員が本当に輝いています。
梅の木
第一小の校舎の横には、旭川市指定天然記念物の梅の木があります。樹齢100年を越える梅の木は福島県から苗木でもたらされたもの。5月には梅祭りが行われ、この地を開拓した福島からの入植者を思い、福島踊りを踊り、梅みこしを担ぎます。梅の木と自分たちのつながりや、思いを絵にして発表します。実は梅ジャムにし、種でストラップを作ります。また子供たちが梅の木の目線で自然を見る「梅の木ツイート」をホームページにアップしているので、ぜひ見て下さい。
地域振興連絡協議会
2・3年生の国語の授業を見た時、アイパッドを使って勉強をしていました。
4・5年生の社会もアイパッドを活用。そして千代ヶ岡小学校とスカイプで授業を始めました。これからは少人数でも、町から離れた場所でも大丈夫な時代になったようです。
もちろん学校の周りは自然の宝庫。廊下にはよく見る植物、動物、鳥の写真や絵が展示されています。まるで図鑑のようです。可愛らしいエゾクロテンがふらりと遊びに来ることもあるとか。春夏秋冬、毎日新しい発見があってワクワクです。
第一小は全校児童8人なので、保健や事務の先生もいなく、教頭先生は担任も兼務。校長、教頭、4・5年、2・3年の担任と先生は4人。
ぜひこの地区に住んでほしいと、地域振興連絡協議会が、農業をやめて空いている家に、移住希望者を呼んで、支援をしています。ここに住むと学校は第一小。素晴らしい環境で他ではできない様々な体験ができる学校生活が待っています。学校は地域と共に歩んでいます。何か学校で行事があると、地域の方々だけでなく、地域に縁のある人も皆、集まって来ます。
自然と人とのつながり。現代に欠けている物が、ここにはあふれている素晴らしい小学校です。
学校に来るまでの自然が楽しいという近藤先生は2・3年の担任。ラグビーをしていたという先生は活動的。心のきれいな子供の表情を見るのが楽しいと話しています。
石本先生は4・5年の担任。家族のような学校の雰囲気が大好きです。自然豊かで春は山菜、秋はきのこの宝庫で、朝と帰りに採るのが楽しみ。子供たちと同じくらい生き生きしている先生です。