「卵かけご飯」の巻
たまにご飯に卵をかけてみる。なぜたまになのかというと、ご飯に何かかけるとすれば、うちではもっぱら納豆だからだ。世に納豆がなければ毎日卵をご飯にかけていると思う。
というくらい好きなのだが、実は生卵の食感がちょっと苦手。溶き卵の、よくほぐれていない時の「ぬるん」というか「どぅるん」としたあれだ。
だからA型の性格を発揮し、チャカチャカと箸を高速回転。卵がサラサラの液状になるまで細かく溶いてから食べる。
それじゃ生卵の良さが台無しだ。「ぬるん」がなかったら、それはただの卵汁じゃないかと、そんな教育的指導を入れてくるのは大概、ご飯の真ん中にくぼみを作ってそこに卵を直接落とす派だ。醤油をかけたらざっくりと混ぜ「ぬるん」ごと飯を掻き込む。そして、うーん、これぞ卵かけご飯の醍醐味よと言うに違いない。
それはそれで良いと思うがその代わり、我が「サラサラ」系も卵かけご飯の一つとしてお認め頂きたい。汁だと揶揄された溶き卵も、ご飯と相まみえることで「ぬるん」系にはないふんわり感を生む。それもまた醍醐味なのだ。
そのようにして、卵かけご飯は案外繊細なものであるにも関わらず、その呼び名は、卵をかけたご飯、という事実がそのまんまで単純。巷ではTKGと呼んで面白がっている節もあるが、とどのつまり頭文字の羅列だ。
ご飯にバターを乗っければバターライスなんて呼び名もあるのに、エッグライスとは誰も呼ばない。いや待て、醤油をかける日本の味は日本語で。
とかなんとか、チャカチャカに時間をかけると、どうでもよいことにうつつを抜かしてしまうが、食べ物の話は楽しい。
「ちょっとこだわり」 まずご飯と醤油なしの溶き卵よく混ぜる。そこに醤油をちょっとずつ。そうすると卵と醤油の味がそれぞれ引き立って美味しい。
「もひとつこだわり」 バター醤油がウマイ! バターとチーズをご飯に混ぜ溶かす。そこへ卵黄を乗せ海苔を散らし(黒胡椒も可)醤油をかけ混ぜながら食べる。