患者とその家族を支える がんコンシェルジュに!
もし、会社の健康診断で突然「がんの疑いがあります」と宣告されたら……。
普段健康に生活している読者の皆さんにも、いつかそんな日が訪れないとは限りませんね。
それまでとは全く異なる暮らしを余儀なくされ、本人はもちろん、そのご家族も未体験の状況にとまどうことが多いことでしょう。
がんという病に関しては病院におまかせするしかないのですが、仕事や日常の生活、お金、法律、さらには精神的なケアまで、病院だけでは解決できない様々な問題が生じてきます。
そんな時、あなたは誰に相談しますか?
医師としてがん患者と向き合い、また父親をがんで失った経験をもつ杉山 絢子さんが「医療関係者だけではなく様々な専門分野の人々によるネットワークで、がん患者の方やその家族にサービスを提供しよう」と立ち上げたのが一般社団法人『CAN net(キャン ネット)』。
杉山さんの思いに共感して、弁護士、行政書士、元看護師、ソーシャルワーカーなど多様な分野で活躍する専門家が集まり、現在その数は約120名。関西や九州など全国にネットワークが広がっています。
「医療の現場では、逆に医療が壁になって手助けしたくてもできないことがあります」と杉山さん。
たとえば、抗がん剤の副作用で頭髪が抜けてしまっても病院ではきめ細やかな対応はできませんが、美容師と協力することで患者さんの気持ちに寄り添った対応ができるかもしれません。
「いま、医療と美容が協力するプロジェクトを進めているんですよ」とやわらかな笑顔で語る杉山さん。
他にも、治療費と今後の生活設計に関する問題にはファイナンシャルプランナーがアドバイスをしたり、勤め先との関係については弁護士や社会労務士がお話を聞くなど、病気を取り巻く様々な問題に対応する「がんコンシェルジュ」がチームで個々の相談に対応しています。
CAN netでは、旭川・札幌・東京でそれぞれ月1回勉強会を開催しており、「旭川の皆さんもどんどん気軽に参加してください」と杉山さん。
現在病気で苦しんでいる方やそのご家族の方はもちろん、「自分のスキルが役立つかも」「ちょっと空いた時間でボランティアできるかな」という感覚での参加も大歓迎とのこと。興味を持った方は、まず「杉ちゃん先生」と親しまれている杉山さんにメールでご連絡を!