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一次選考通過 『涙と仲間と絆と』 品川 美加子

「この学校に入って本当に良かった」。
 卒業間近の今この時、息子が心から「良かった」と思えることは、親として本当にありがたいと思う。

 甲子園に行きたくて、オレはこの学校に入った。練習は厳しいけれど仲間と頑張ってきた。残るは最後の夏。この仲間となら、甲子園への切符を掴めると信じている。
 そして、メンバー発表の日。一番から十八番までの中に中にオレの名前はなかった。

 家にたどり着くまではどうにか堪えた。でも、家に入った途端に座り込んで号泣した。泣いて泣いて、両親が帰ってくるまでに涙をすべて流し尽くしてしまおう。今まで一生懸命応援してくれた両親に涙は見せられない。
 その日、両親は何も聞かずいつもどおりに接してくれた。
 明日までに気持ちを切り替える。メンバーたちのために最強の応援が出来るように。スタンドからの熱い思いが届くように。

 数日後、大会が始まった。メンバーはグラウンドを走り、投げ、打った。オレはスタンドから声援を送った。オレたちの背中には「絆」。仲間と作ったTシャツだ。その絆の文字のとおり、オレたちはメンバーのために声を枯らし応援ダンスに汗を流し、メンバーたちはそれに応えるように必死にプレーした。
 そして、オレたちは甲子園への切符を手にした。泣けた。あの時の涙とは違う。熱いものが突き上げてきて涙が止まらない。オレは甲子園でもたぶんスタンドだろう。でもオレは誇りを持ってスタンドから声援を送る。メンバーのために。
 との次の日…。背番号の入れ替えがあり、仲の良いアイツがはずれた。アイツはオレの前だけで泣いた。「辞める。行かない。」上手い言葉が見つからない。悔しい気持ちは痛いほどわかる。でも自分で乗り越えなきゃならない。だからオレの前では号泣すればいいい。
 翌日、アイツは練習に来て笑顔で言った。
「応援のダンスを教えてくれ」

 甲子園でアイツもオレも思いっきり踊り声援を送った。メンバーはそれに応えるように戦った。結果延長戦で負けたけど、スタンドの観客は立ち上がり暖かい拍手をくださった。オレはその拍手にまた泣けた。

 甲子園から戻ってから、アイツはオレの両親に頭を下げた。
「今まで支えていただき、ありがとうございました」
 なんだかアイツが格好良く見えた。

 息子にとって仲間と過ごした三年間は一番の宝物だ。絆で繋がった仲間との最後の夏は、息子の中で一生キラめいているのだろう。

一次選考通過 『練習着』 佐久間尚子

 孫の入浴時間が長い。さっきから気になってしかたがない。二時間は過ぎただろうか?ようやく顔を真っ赤にしてあがってきた。
「ながいおふろだね」。声をかけると「練習着洗っていたんだ」。「ふーん、自分で洗うんだ。大変だね」というと、母親が厳しくて、好きな野球をしているんだから何事も自分でするよういってあるらしい。小学校四年生から野球、野球の毎日を過ごしてきた。高校二年生になった今も野球で頑張っている。しかし、部員の人数が多く、真面目に一生懸命やっているが、自己PRが下手で苦手でめだたなく、なかなか試合にだしてもらえない。ひかえめな子にも目をかけてくれる監督だったらいいなあといつも思っている。さて、その練習着だが、いいとこみせようと思い内緒で洗うことにした。大きな袋からとりだそうとした途端、ボタボタと大きいのや小さい泥の固まりが落ちてきた。あわてて外にもっていきはらったが、ねっとりと泥がへばりついている。特にソックス、ズボンがひどい。汚れは帽子をも直撃している。どうやってこの汚れを落とすのか?ふと、おふろの角をみると昔の洗濯板とみたことのない洗剤がおいてある。早速すっぱだかになり、どっかりと椅子に腰をおろし、板の上に練習着をのせ、どんな頑固な汚れをも落とすという洗剤をたっぷりとまき、ごしごしとこすった。ソックスは軽いし小さいのでわりと早く汚れは落ちたが、真っ白にはならない。問題はズボンで白い箇所がないくらいひどいので一向にきれいにならない。そのうち腰が痛くなり、手もひりひりしてきた。一度立ち上がりズボンを持ち上げようとしたが鉛のように重く、ギクッという音と共に腰がくだけそのままへたばってしまった。とうとうギブアップした。役にたつどころか途中でなげだした自分が心から情けなかった。同時に毎日この作業をしている孫のことを思って感心をとうりこし涙がでた。ながい入浴時間のわけがようやくわかった。こっそり孫を呼びあやまった。彼はニヤッと笑っただけだった。よく朝、あふろ湯をのぞくと大きなたらいのなかに、きれいになった練習着がうかんでいた。洗濯機で最後の仕上げをすると「ばば、ありがとう」といって元気よく練習へとびだして行った。干すくらいは私でもできる。ピッピッパタパタとたたきながらしわをのばした。
 一番の願い、それは孫が試合に出てヒットを打つ姿をみることである。
 いつの日か冥土へ旅立つ日がくいる。その時のうれしいみやげにしたい。
 そんなに一生懸命なんだもの。その時は絶対にくる!あきらめないで!

逃げる女

柔らかさBの鉛筆好み処暑 岡本彦弥

針の跳ぶエディット・ピアフ胡桃落つ 侘助

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アテ・シロタ・ゴードン著『1945年のクリスマス』は、日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝です。このマッカーサー草案は、昭和二十一年二月四日(月)朝から十二日(火)夜にかけて作られました。それぞれ法律学・政治学・財政学などのエキスパート二十五人が作成にあたり、完成した九十二条のうち人権条項は実に三十一条を占めていました。この人権条項を担当した三人のうちの一人が著者です。
彼らは、法律によって様々な制限をうける臣民の権利(民権)はあっても、人権という日本語がなく、男尊女卑の国だった日本に、新しい憲法による国民主権と戦争の放棄、男女平等と基本的人権を確立した理想の国家を作ることを夢見て、不眠不休の作業を続けました。
最高権力者だったマッカーサーの強力なプッシュが、「押しつけられた憲法」観の所以ですが、当のアメリカは、現在も「男女平等」を書いた修正案が通らず、憲法上は「男女平等」ではありません。憲法についてちょっと考えている人はご一読を。
アベちゃんはもう読んだかな?

さてと、こんな商売をしていると、時折へぇ~と思うような人に出会います。
朝、マルカツの横に車を止めていると、三十才くらいの若い女性が乗ってきました。「引越しをしたいんですけど、手伝ってもらえませんか?」って。私はタクシーで引越しはちょっと無理ではと思ったのですが、彼女が「家具はないですし、布団が一組と衣類がちょっと、あとは猫が二匹です」というものだから引受けることにしました。
繁華街のビルの一室に彼女は住んでいました。エレベータの前にはすでにそれらしき段ボール箱とビニール袋が積んであり、上手に積めばほんとに一回で終わる量でした。「あとは布団と猫だけなんで、ちょっと待っててくださいね」。彼女がエレベータで上がって行ったので、私は荷物を助手席・トランク・後部座席の順に運び入れ、なんとか残りの布団と猫二匹と人がひとり乗っても大丈夫なスペースを作りました。

彼女が引越しを手伝ってほしいと車に乗ってきてから、橋を二つ越えた街の古いアパートに荷物を運び入れ、タクシー料金とお礼だという三千円を私が少し恐縮して受けとるまでに要した時間は三十分弱でした。
少しばかりの衣類と本、そして大量の『東京新聞』と猫二匹を抱えて引越しをした彼女。彼女が去ったビルの一室には、大型のテレビも冷蔵庫もダブルベッドもあり、別の女の所で遊び呆けて帰宅した男が、洗面所の鏡に真っ赤な口紅で殴り書きされた「クタバレ、ロクデナシ」の文字を見て悄然としている姿を、私は想像しました。そしてそれはまさに昔の私の姿そのものでした。
私は彼女がいま、二匹の猫との平穏な日々をおくっていることを切に願っています。

旭川市立富沢小学校

旭川市神居町富沢にある富沢小学校。

全校児童33名の小規模校ですが、勉強はもちろん
自然の中での遊びにも一生懸命。とても素敵な学校です。
富沢小の子供達の毎日の様子を御紹介します。

 

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特認校

富沢小は、旭川市教育政策課が定めた特認校です。特認校とは本来、通学区域は住所によって決められていますが、「小規模校で子供を学ばせたい」「自然環境に恵まれた学校で子供を学ばせたい」という希望が保護者にある場合、一定の条件を付して校区を越えて入学、転学できる制度です。

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富沢小は、稲作を中心とする田畑と、手付かずの森林、山並みを堪能できる田園地帯にあります。周りにはカムイの杜公園、富沢ふれあいの家、クロスカントリーコースなどがあり、旭川駅から6キロの場所とは思えないほど、自然の環境に恵まれています。この富沢の自然を生かした、特色ある教育活動もたくさんあります。春夏秋冬、野山を探索する「野山の学習」。春と夏には1・2年生は「花・生き物」、3~6年は「川」「花」「鳥」グループに分かれて野山を歩き、自然とふれあいます。素敵な発見や体験もたくさんあります。また、秋の「ふれあい宿泊学習」では、上川中部森林管理署の方を講師に招き、「どんぐり作戦」に取り組んでいます。全校生徒がどんぐりの種を紙ポットに植え、苗を学校で育て、秋に植樹する活動を通して森林を大切にする心を育んでいます。

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地域とのふれあい

富沢小では、地域の家一戸と子供一人が、2年間「ふるさと家族」として交流を深めています。運動会や学芸会のプログラムを直接届け、年賀状や暑中見舞いも出しています。この結果、地域の方々は子供達の名前を皆知っています。毎年8月30日には富沢祭りがあります。全校生がはっぴを着て、富沢神社まで5・6年生が御輿をかつぎ、1~4年生と一緒に地域を練り歩きます。神社では歌や群読、作文などの発表をしたり、子供相撲をしたり。保護者は出店を出して子供や地域の方々と一緒に楽しみます。その他にも、ふれあい水田、ふれあい農園、ふれあい集会、ふれあいお楽しみ会など、楽しい催しが目白押しです。
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一生懸命

勉強もとても一生懸命で、様子を見ているととても楽しそう。3・4年、5・6年は複式です。5・6年生の教室をのぞくと、学習リーダーがいて、自分達で授業を進めています。担任の先生は補助に。とてもたくましく、全員知的好奇心が旺盛。何事にも真剣に取り組み、少人数なので出番も多く、自分を試す機会も多いので、子供はどんどん伸びて行きます。
体力作りにも積極的に取り組んでいます。「富沢タイム(午前10時15分~40分)では年間を通して様々な運動をしています。マラソン、一輪車、クロスカントリースキー。それぞれ記録会や大会があり、練習の成果を発表します。特に一輪車は、全員が得意。1年生は入学して一か月位で乗り回しています。9月21日(土)に行われる「入学説明会」では、全校一輪車大会が開催されます。
この素晴らしい環境で子供を学ばせてみてはいかがでしょうか。

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3・4年生の担任。4年前に特認校ということで、緊張して来ましたが、とてもやりがいのある学校。子供も親も何事にも一生懸命やるところに感動。指導にも力が入ります。富沢でなければできない体験を目を輝かせてする子供達は、勉強も一生懸命。小学3年生のお父さん。「川の学習」での経験を生かして、一緒に川で遊ぶ優しいお父さんでもあります。

 

平成26年度 特認校入学児童募集

入学の条件

  • 旭川市内に在住し、片道60分以内での通学が可能であること
    (保護者の送迎が原則)
  • 心身ともに健康な児童で特別な配慮を必要としないこと
  • 学校や地域との連携・協力ができること

募集人数

  • 1年生8名  2年生5名  3年生1名

入学説明会

  • 1回目 9月21日(土) 9時〜11時10分
  • 2回目 12月3日(火) 13時10分〜15時20分
    ※おもな内容 授業参観、入学説明会、施設案内

◎問い合わせは富沢小学校62−6207まで

 

留萌でしか作れない超強力小麦をめぐるツアーに行ってきました!

輸入小麦を道産の物に変えていこう という道の事業『麦チェン!』
その動きが留萌では、生産・加工・販売の地域ぐるみのプロジェクト『留萌・麦で地域をチェンジする会』
と言う名の独自の取り組みとなっていた。

青い海と空に広がる赤銅色の穂が美しい

青い海と空に広がる赤銅色の穂が美しい

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留萌のゆるキャラ「カズモちゃん」がお出迎え?

留萌のゆるキャラ「カズモちゃん」がお出迎え?

 

平成21年、小麦「北海259号」は、最初に小平の農業者、林寛治さんの手に託され、初めて0.5haの畑で栽培された小麦はデュラム小麦に負けない弾力、豊かな味わいの超硬質小麦となった。
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これが、のちに留萌の夕日に映える小麦をイメージした「ルルロッソ」と名付けられ、
今では7戸の生産者、9haにまで広がっている。
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日本人に合う、美味しいと思えるパスタを作りたいと願っていた留萌の株式会社フタバ製麺の創業者、仲田尊美さん(左)と息子の隆彦さん(右)に引き継がれた「北海259号」は生パスタとして生まれ変わる。

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生パスタ、食パンどちらも魅力的な商品。おみやげにもいいかも!

地元の飲食店や各地の道産食材店で広く扱われている、フタバ製麺さんで作られる生パスタ「ルルロッソ」

地元の飲食店や各地の道産食材店で広く扱われている、フタバ製麺さんで作られる生パスタ「ルルロッソ」

増毛の国稀さんの酒粕と共にパン屋スカンピンさんによって焼かれた食パン「高嶺の華」

増毛の国稀さんの酒粕と共にパン屋スカンピンさんによって焼かれた食パン「高嶺の華」

 
 

どれもが、何処にでもある物ではなく、全て留萌で生産された真似の出来ない品質と関わっている人々の熱い思いが伝わる商品ばかり。近い将来、「超硬質小麦は留萌産」と言われる日が来るかもしれない。

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「留萌・麦で地域をチェンジする会」

地元自治体・生産者・農協・製麺会社・飲食店などが中心となり平成22年3月設立。
「小麦を地域の活力に!」という熱い思いを胸に、留萌ならではの小麦生産、商品開発に取り組む。

夢に向かう、未来の調理人たち。旭川の”美味しさ“を支える力に!

旭川の「食」の未来を担う、若き調理人たちに会ってきました。
調理実習だけではなく、おもてなしの心を伝えるサービス力や販売力、マネージメント力など、様々な角度から調理師を育成する旭川調理師専門学校。
そこには、自分の夢に向かって着実に歩を進める、たくさんの若者たちの姿がありました。
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「いらっしゃいませ」
まるでレストランのように、ボーイ姿で出迎えてくれたのは、旭川調理師専門学校の学生たち。同校では実践力を育てるため、年20回ほど保護者や地域の方を招き、レストラン実習を行っています。私たちフィット編集部も、招待して頂きました。

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当日のメニューは茶懐石。なんと接客班の学生が、お抹茶の御点前も披露。学校では、「料理は総合芸術」と、テーブルコーディネートから、筆ペン、ステンシルアート、デッサンなど多角的なカリキュラムで学んでいるそう。テーブルには爽やかな花が活けられ、なるほどと納得です。
運ばれたお料理は、まずその美しさに目を奪われます。煮物椀を開けると、フワッと青柚子の香りが漂ったり、サクランボ?と思ったら、サクランボに見立てたミニトマトだったり、五感で感じる小さな「驚き」も楽しみながら、美味しく頂きました。
また、授業では農業体験も実施。生産する苦労や喜びを知ることは、料理への真摯な姿勢につながります。

 

終了後、接客チーフの市澤良幸さんは、「料理は厨房で作りますが、その美味しさを伝えるのは接客班。接客の態度が悪ければ、美味しいものも美味しいと思ってもらえません。調理と接客のチームワークの大切さを学びました」。学生料理長の野村一貴さんも、「小さなミスを無くそうと声掛けして、コミュニケーションをとりました」と話してくれました。
帰り際、玄関前にいた学生にも声をかけました。「作るときって、何を考えているの?」と私。「もちろん、食べてくれる人のことです。食べてくれる人のために、心を込めて作ります。『この程度で大丈夫かな』とか、『適当に』なんて、絶対に思いません。それが許される世界ではないので、最後まで力を抜かずに作ります」と、学生。
すごいなぁ。一人一人の中に、料理を作る上で一番大切な心が育まれていて。ここから巣立つ子たちが、旭川の色々な店で活躍するようになる。そう考えると、旭川市民として、とっても楽しみになりました。
がんばれ! 未来の調理人たち!

取材協力 学校法人北海道浅井学園 旭川調理師専門学校

旭川市工業団地1条1丁目
TEL/ 0166-36-5111
http://www.asacho.ac.jp

旭川市工業団地1条1丁目

育児のための衣服の条件②

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手足を自由に動かせる衣服

赤ちゃんは目を覚ましているときはもちろんのこと、眠っているときでも盛んに身体を動かしています。一歳を過ぎると寝返りを何回もやるので、とうとうふとんの外へ出てしまい、ときには「どこへ行ってしまったんだろう」と探さなければならないことさえあります。
こういうのは身体が丈夫な証拠です。
さらに大きくなってからでも、子供は寝相が悪くて当たり前なので、布団の外へ飛び出しても腹が出て冷えたりしないようにする工夫が必要です。

赤ちゃんは裸にされると、とても喜んで手足をバタバタさせます。これは衣服を脱がされたことによって身体が自由になったからです。したがって赤ちゃんは衣服を着ている時でも、裸の時と同じように手足を自由に動かせるようにしてやらなくてはなりません。もちろん夜寝ている時も同じです。

 

自然な肢位を妨げないように

眠っている赤ちゃんを見たことのある人ならば誰でも知っていることですが、赤ちゃんが眠っている時の姿勢はバンザイをしたように両腕を上げ、掛け布団の外に両手を出しています。また脚は、お相撲さんがしこ四股を踏んで身体を沈みこませた時のように股を開いたかっこうになっています。このような手足の位置が赤ちゃんの自然な肢位なので、赤ちゃんが歩き始めるまでは、この体位が自由にとれるような衣服を着せることが大切です。細い袋のような衣服は赤ちゃんの股がよく開かないのでいけません。

このことは私たちがホテルのあの封筒のようなシングルベッドで寝るときや、寝袋(スリーピングバッグ)で寝るときの、きゅうくつなのを思い浮かべると、すぐ理解できるでしょう。

赤ちゃんの股はよく開くように日常生活で常にトレーニングしなければなりません。だから、お母さんが座っている時に赤ちゃんを抱っこする場合は、必ずお母さんの膝をまたぐように股を開いた形で抱くようにしましょう。

同様に、オンブをする時も赤ちゃんの両脚はそろえないで、赤ちゃんの膝がお母さんの脇腹へくるような形で背負うようにしてください。こうすることで赤ちゃんの運動能力の発達を助長するし、股関節脱臼の予防にもなるのです。オンブについては後であらためてお話します。

 

敷き布団の硬さは?

これにともなうこととして、布団の硬さの問題があります。赤ちゃんの敷き布団は身体が沈み込むような、やわらかいものはいけません。やわらか過ぎると、
・寝返りがしづらいので眠っている間    の運動ができない
・何かのはずみでうつぶせになった時、 寝返りができないと窒息する恐れが ある
・あお向けに寝ている時身体が沈み込     むと、その結果として膝が前へ出る ので自然な体位を妨げ、股関節脱臼 の発生を助長する

以上の点から、やわらかすぎる敷き布団はよくないのです。大人ならば背中が痛くて眠れないという程度の硬さがいいのです。

社会ルールを身につけるおもちゃ

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06yoshida05兄弟同士やお友だち同士でおもちゃを取り合うシーンをみると、どうしたらいいのか本当に迷ってしまいます。また、同じおもちゃを2個用意していても、何故か片方を取り合う「もう~どうして?」という最悪のパターンも ・・・大人になっても相手の立場になって考えてみるとか、相手を理解するという事が本当に難しく、経験してみなければわからない事って沢山あると思います。
「遊び」を中心とした幼児教育はヨーロッパでは多く見られ女の子に家の家事を教える目的としてドールハウスを積極的に与え、家族の誰かを演じることでいろんな「立場」を経験させるそうです。シルバニアファミリーに海外版(UK)が存在するのはそういう事が背景にあるからかもしれません。また、お母さんから気持ち悪がられたり嫌がられたりするとても可哀そうな「怪獣や悪役」の人形は悪役になりきってヒーローからの攻撃を受けることによって痛さ、弱さ、負ける悔しさ、劣等感を知る事と思います。それらを経験できるからこそ、人の気持ちを理解できるようになるのだと思います。こういう遊びがいつの日か少しでも思いやりのある人になってくれるのではないかと思います。
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ではキッズサポートさんからです。

北畠です!
小さい頃に興味を持って覚えた事って普段は使わない内容でも意外と覚えてたりすると思います。私だと数字の単位は未だに覚えています。億・兆は普段でも目にしますがそれ以降はというと…京・垓・予・穣・溝・澗・正・載・極・恒河沙・阿曽祇・那由多・不可思議・無量大数なんだかお経の様ですが実際、仏教用語から由来していたかと思いました。子どもの頃は一番大きな単位の「無量大数」という衝撃で興味が湧き徐々に他の単位も覚えていった記憶があります。
学びごとも興味を持って覚えたものはより身に付きます。数字を覚えるのもパズルで楽しみながらだと自然に身に付けることができるのでしょうね。
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次はおもちゃのヨシダスタッフからのコメントです。

今、女の子に人気の筐体ゲームといえば「アイカツ(アイドル活動)」でしょう。どんなカードが出るかドキドキしながら待っている様子、リズムに合わせて身体を動かしている様子等を見ていると、可愛いなぁ…と思って見てしまいます。それと同時に面白いのが応援している周りのご家族の反応です。見るからに厳ついお父さんが「良いカード出たの?良かったねぇ~。」とニコニコしているかと思えば、
「アイカツ」のカードダスガチャをお子さんよりも必死の顔で延々まわされているお母さんがいたりと、人間観察するのも面白いですよ。筐体ゲームは正直な所、いいゲームとして捉えられる事は少ないかと思います。ただ、列に並ぶ、順番を守る、何かトラブルがあったらお店の人を呼んだりする事が出来るといった社会生活で必要な事を学べる要素もあります。筐体を遊んだことの無い皆さん、一概に「ゲームなんて…。」と思わずに試しに遊んでみてはいかがでしょうか?
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育児のための衣服の条件①

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赤ちゃんが生まれると最初に与えられるものは衣服です。それにしても衣、食、住というこの順番は面白いですね。食衣住でも、住食衣でも、衣住食でもないのです。

 赤ちゃんにとって、まず必要なものは衣であり、次が食つまりお乳、住は最後でいいのです。このことは私たちおとなにも当てはまるので、さらに興味深いものがあります。 

 ここで思い出されるのが「衣食足りて礼節を知る」という言葉です。その意味は、民の生活が安定すれば道徳心が高まって礼儀を知るようになる、というものですが、食べ物や衣服があり余っている今の日本には当てはまっていません。身障者用の駐車場に平気で駐車する若者や、ファミレスなどで帽子を脱がない中高年があふれています。

 そして面白いことに、日本のこの状況はモノとカネだけでは人格を涵養することはできないということを明確に示しています。さらに、人が礼節を知るための基礎となるものは、インプリンティング(連載第三十四回)とアタッチメント(同三十五回)、すなわち愛情豊かな母子関係と良好な愛着行動によってのみ礼節は身についていくのであって、「衣食と礼節とは無関係である」ということを証明しているのです。このことは、日本に観光に来てホテルのテレビまで盗んで帰るどこかの国の富裕層を見ると、さらにはっきりしますね。「お里が知れる」とはまさにこのことです。

 さて、赤ちゃんの衣服を選ぶに当たって私たちが念頭に置かなくてはならないこと、それはそんなに難しいことではありません。私たちが赤ちゃんになったつもりで考えればいいのです。私たちおとなにとって気持ちのいい衣服は、赤ちゃんにとっても気持ちがいいし、おとなが気持悪いものは赤ちゃんにとっても気持ちが悪いのです。

 大切なことは、赤ちゃんから子供まで、衣服については機能の良さにだけ重点を置くことです。色や柄にとらわれてはいけません。色や柄がどんなに気に入っても、子供にとって不便な衣服を着せてはいけません。子供の正常な発育を妨げ、ときには事故や病気の原因になるからです。

寒くないこと、暑くないこと
 衣服とは、もともと保温のために着るものなのですが、最近、薄着に過ぎる場合がわりと多くみられます。五ヶ月ぐらいまでの乳児に多いのですが、お乳はよく飲むのだけれど眠らない、泣いてばかりいる、という相談を受けることがあります。この中には薄着のために寒がっている場合があるので、もう一枚着せてみる、あるいは寝せる時に掛けるものを厚いものに換えるなどして様子を見るようにしてください。
 そして肌着ですが、肌着はどんなのがいいかというと、
・汗をよく吸収すること
・ある程度の伸びちぢみすること
・着たり脱いだりするときパチパチと静電気が起きないこと
・通気性がいいこと
 この四点が大切です。やはり木綿で作ってあるものが一番です。

 なお、新品の肌着は赤ちゃんに着せる前に必ず一回洗濯をしてから使うこと。理由はほんの少し付着している機械油でかぶれることがあるからです。